イノベーションを誤解していませんか

2014-08-06

「イノベーション」という言葉が新聞、雑誌などで目に留まらない日はないと思いますが、「技術」分野における発明や画期的な新製品の開発を連想する人も少なくないのではないでしょうか。「技術だけではイノベーションは起こらない。また、技術なくしてイノベーションは起こらない。」という認識のもとに新しい価値を創造することだと思います。

【イノベーションの定義】
■シュンペーター
イノベーションとは、経済活動の中で生産手段や資源やそして労働力などを今までとは異なる仕方で「新結合」すること
・未知の新商品や新品質の開発(プロダクト・イノベーション)
・未知の生産方法の開発(プロセス・イノベーション)
・新市場の開拓(マーケティング)
・ものの新しい供給源の獲得(サプライチェーン・マネジメント)
・新組織の実現(組織イノベーション)

■ドラッカー
企業の目的は顧客の創造にあることから、企業には二つの基本的な機能が存在する。マーケティングとイノベーションである。マーケッティングは、企業に特有の機能である。財やサービスを市場で売ることが、企業を他のあらゆる人間組織から区別する。イノベーションは、より優れた、より経済的な財やサービスを創造することである。企業は、単に経済的な財やサービスを提供するだけでは十分ではない。より優れたものを創造し供給しなければならない。言い換えると、企業は既存事業と新規事業の成功が必要ということになる。

■プログラム・プロジェクトマネジメント(P2M)
イノベーションは、これまでにない新しい価値を生み出すことを意味し、その内容によって3つのタイプに分類することができる。
・プロダクト・イノベーション:新技術や新製品によって差別化を実現し競争優位を達成する。
・プロセス・イノベーション:プロセスの改革によって、生産性を向上させ競争優位を達成する。
・ビジネスモデル・イノベーション:顧客への価値提供の方法を刷新することで従来の方法と差別化を行い競争優位を達成する。

以上のことからイノベーションには「技術に関するイノベーション(テクニカル・イノベーション)」と「経営に関するイノベーション(ビジネス・イノベーション」の2つが存在し、そのキーワードは「新結合(新しい組み合わせ)」と「価値創造」。個々の枠を超え、組織を超え、会社を超え、業界を超え、国を超えて、「新結合」し、新しい価値を生み出し、競争優位を達成するということになります。

ビジネス・イノベーションの視点では、それぞれの産業で構造改革が進められています。各企業においては、この構造改革を予測し、経営改革を推進していかなければなりません。これが、今後の事業継続を左右する、企業にとっては死活問題ともなってきます。
・自動車産業の構造改革
・電機産業の構造改革
・エネルギー産業の構造改革
・ICT産業の構造改革
・運輸業の構造改革
・金融業の構造改革
・ヘルスケア産業の構造改革

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